占いの恐怖
皆さんは占いを信じますか?
私は信じないというか、信じたくないタイプだった。
「運命は自分で切り開くもの!」「占いなんかに人生決められてたまるか!」と、そんな風に考えていた。
しかし、ある日、この思考が覆される事態が起こったのだ。
私の友達の間である占いサイトが流行り始めた。
『恋歴占術』というサイトだ。
みんながみんな、「当たる〜」「やってみなよ〜」というので、半信半疑で占ってみることにした。
「2つオーラを持った、ちょっと変わった人です」
「相手に合わせるのが上手いです」
「寂しがり屋だけど、1人の時間が欲しいタイプです」
など、どれもこれも当たっているのだ。
本当に怖いくらい当たっているのだ。
さて、私の占いにおいて1番嫌いなのが『運気』というジャンルである。
なぜなら、それ1つで人間は1日の気分を左右されるからである。
考えてみてほしい。
ある朝テレビのチャンネルをつけて、星占いがやっていて、自分の星座が12位だったら…もうその日の気分は最悪だ。
この世にこれ以上悪質なものはない。
しかし、怖いもの程気になってしまうのが人間の悲しい性である。
私は自分の『運気』のボタンを押した。
「あなたの運気は今月最悪です。何をやっても上手くいきません。今月は大人しくしていましょう。」
絶望である。
私はこの上ない絶望のどん底に突き落とされた気がした。
これは2018年12月の出来事で、12月はいろんな悪いことが起きた。
傘をなくす事件、街まで30分も車を走らせたのに、観たかったDVDが置いてない事件、欲しかった化粧品売り切れ事件。
数々の事件に続き、ここにはかけないようなショックな出来事まで起こった。
私は「2019年!1月!来月こそ、運気よ!上がれ!」と祈った。
運気が上がる本まで買った。
そして、なんとか無事大晦日を迎え、紅白を家族で楽しみ、新年を迎えた。
私は初詣に出かけて、帰るとすぐに、『恋歴占術』をチェックした。
「先月に引き続き、運気が下がっています。物や人、大切なものを無くしやすいです。気をつけてください。」
…(^◇^)