音楽の誘惑
私は自由に歌ったり踊ったりすることがすきだ。
音楽がなれば踊り出してしまう。
田舎に住む私にとって、普段は大した問題ではない。
家はもちろん、外で同じことをしていても、かなりの確率で目撃されることはない。
しかし、都会は厳しいものだ。
都会へ出れば、様々なところで音楽が流れている。
私を誘っていると思い、踊り出したくなる。
だが、それは罠だ。
その罠に仕掛かれば、たちまち変な人呼ばわりを受ける。
それが都会だ。
私は、都会の大学に通い始め3年が経とうとしている。
もう音楽の誘惑には負けない、強い女性となった。
そんな私は先日都会の美容院に行った。
行きつけである。
行きつけの都会の美容院。
なんてお洒落な響きだろうか。
都会の美容師さんは、すごい。
「この髪型にしてください」といえば、かなりの確率でほぼ同じ物が出来上がる。
だが、ここで忘れてはならないことがある。
「大原櫻子ちゃんの髪型にしてください」といくら言ったところで、顔は変わらないことだ。
それを忘れ、不恰好なちびまる子ちゃんになった思い出を私は忘れない。
話はそれたが、先日美容院に行って、とても素敵に仕上げてもらえた。
髪の毛が思い通りになる。
これは、女の子にとっての大いなる幸せと言えよう。
「前髪の安定は精神の安定」という大関れいかちゃんの言葉を思い出す。
大層浮かれた私はルンルンでお店を後にした。
帰り道、大好きなTaylor Swift の『You belong with me』がかかっていた。
私は自分を制御出来なかった。
あ…(またやってしまった。)
見かけてしまい、無言で停止するおじさんが1人。
私にとって、やっぱり都会は危険地帯。