トリ頭
妹と喧嘩した際に
「お姉ちゃんのトリ頭!!」
と言われた。
妹は読書家で語彙が豊富なのだが、私は絵本や漫画しか読まないので難しい言葉が苦手である。
そんな私は妹から言われた単語が分からず、喧嘩の最中であることも、言い返すことも忘れ、ついつい考え込んでしまった。
はて、鳥頭とはなにか?
鳥に頭を踏まれてボサボサっとした頭の人のことだろうか?
それとも、頭の中に鳥を飼っているような、ひらひらと手を動かした馬鹿らしい人のことだろうか?
私は数日そんな考え事をしていた。
一人で考えていても仕方ないので、母に質問してみた。
すると、母も分からないと言うのだ。
これは困ったぞ。
母も分からない程難しい言葉なのか。
こうなったら、辞書に頼るしかないと思い、思い切って辞書を引いてみた。
(妹に直接聞かないところは姉のプライドである)
すると、鳥頭とは、「物忘れの激しいこと」「記憶力の弱いこと」の例えらしい。
なんて失礼な!!
と、普通の人なら怒るところだが、私は、あまりにも自分にぴったりな言葉過ぎて、怒るのも忘れ、逆に感心してしまった。
それにしても、鳥はこんな馬鹿にされた言葉に使われて怒らないのだろうか?
鳥にこんな言葉を知られたら、見つかった人間は総まとめでつつかれてしまうのではないか?
そんなことを考えていた。
その時私はハッとした。
そんなことばかり考えているから、私はいつも上の空で、ぼーっとしており、なんでも忘れてしまうのだろう。
やはり、鳥頭とは、私にぴったりな言葉なのだ。